長いポルシェの歴史の中で唯一と言って良いほど希少なことがありました。
それが今回掲載する「ポルシェベンツこと、メルセデスベンツ500E」です。
ポルシェ&ベンツのダブルネームという名車(500E)
メルセデスベンツ500Eの概要をお伝えします。
ベンツであるに関わらずポルシェファクトリーで製造
FRポルシェ(928など)の売上げが思わしくなく、経営危機に陥っていたポルシェにメルセデスが発注したといわれる幻のクルマ。
ポルシェとベンツのダブルネーム、2度と出て来ない名車です。
その中でも諸説ありますが1992年式(初期型)はポルシェファクトリーで製造されたということで馬力が大きいことからさらに価値が付いています。
エステリア(ワイドボディ)
一見した限りでは普通のEクラス(W124)と同じように見えます。
しかしよくよく見ると、フェンダーの張り出しは明らかに大きく、車高も低め。
フロントのエアダムの形状も少しだけ異なっています。
スポイラーはありませんし、ホイールデザインも派手さがないため、知る人ぞ知るという名車。
今見てみても、W124のブリリアントシルバーは綺麗な色です。
インテリア
黒革のため重厚感があります。
「W124シリーズ」は「ポルシェ993」と同世代ですが、当時のクルマは独特の革の匂いがします。
「124シリーズ」に乗ったのは2度目となりますが、窓が大きくて気持ちが良い。
この年代のドイツ車は開放感があるのが特徴的、ベンツGクラスも同じです。
あの開放感は他のクルマでは味わえません(他にも味わえない部分はありそうですが)。
エンジン・サスペンション
排気量は5Lもあります。
500Eのノーズに収まるパワーユニットは当時のSL用エンジンと基本は同一です。
本来なら2L〜3Lの直4あるいは直6搭載を前提に開発されたEクラス(W124)に、 5LのV8を詰め込んでしまっています。
大排気量の重量のかさむエンジンを搭載することで重くなったノーズに対応すべく、サスペンションをSLから流用し、 確実なストッピングパワーを求めて容量の大きなブレンボキャリパーを驕り、さらには駆動系の強化もされています。
当時の価格
発売開始当初の500Eの価格はなんと「1551万円!」
為替の影響で後期モデルは若干価格が下がり「約1300万円」
一見すると普通のEクラスにも関わらず、約2倍近くのお支払いをされたオーナーもこれまた凄いです。
試乗インプレッション
足回りが引き締まり、かなり硬い印象。
4速ATなため「ポルシェ993」同様、街乗りスピード領域では特別感はありません。
一方、100キロ近くでのコーナーの曲がり方は独特です。
まず、全くスピード感がありません。そして脚が粘ります。
東名の御殿場右ルートを走行したら楽しそうな印象です。
メンテナンスなど
年式も年式ですので、それなりにメンテナンスが必要と思われます。
新車価格が1300万〜1500万ですので、部品代が高いのは致し方ない所。
大排気量のエンジンを詰め込んでますので、熱による劣化も仕方なし。
購入される時は、並行輸入車も多数存在してるので購入も注意。
まとめ
唯一無二のクルマでオーナーの満足度が高いクルマ
フロントフェンダーを見るだけでウットリします
メンテナンスはそれなりに手間はかかりそうではあるが、オーナーはそれをも不満にもたない程の魅力的なクルマ
今となっては、走りについてはあまり期待しない方が良い
コメント
なんでポルシェの工場で組み立てたんでしょか?
最初からポルシェ買えばいいじゃんって思っちゃうんですが
正確な理由はわかりませんが、ポルシェが経営難であったためのようです。また、当時ポルシェには4ドアの車が存在していなかったため、ポルシェが関与した4ドアのクルマが欲しいとなると500Eしか選択肢がなかったと思われます。