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993カレラSは「狼の皮をかぶった羊なのか」都市伝説検証

993カレラSリアスタイル ポルシェ

外観はリアを中心にボリューム満点のターボルック。

中身はスタンダードモデルのカレラと同じという993型のカレラS

賛否両論ありますが、否定派の意見である「狼の皮をかぶった羊」について今回検証します。

結論
  • 「狼の皮をかぶった羊」、当時はそう言われても仕方がないモデルであり、その言葉は正しかったというのが私の評価です。

  • 今となっては、最後の空冷のワイドボディをA/Tでゆっくり走らせることができるという点で「狼の皮をかぶったスマートな名車」としたいと思います。

カレラSとは

現代の水冷ポルシェにおいて、カレラSとはスタンダードモデルの911カレラの高性能版としてのポジショニングが確立されています。

一方、空冷最終モデルの993型においてはカレラSはそれとは別のポジションでした。

また、964型以前の911カレラや最初の水冷モデル996型においてはカレラSというグレードは存在さえしていません。

そういった意味でも、空冷993型カレラSと997以降の水冷カレラSでは大きくポジションが異なります。

993カレラSとは

993型世代の最終年、1997年にカレラSは登場しました。

生産期間は1年限定で、地味に空冷モデルのファイナルモデルとしての側面を持っています。

特徴について掲載していきます。

エンジン

カレラSフロント

997型以降のカレラSとは異なり、パワーユニットはスタンダードモデルのカレラと同じ3.6Lの空冷M64を搭載。

バリオラムを搭載した3600ccで最高出力285ps/6100rpm、最大トルク34.7kgm/5350rpmを発揮します。

ボディ・シャシー

スタンダードモデルカレラと大きく異なるのは、カレラ系ながらもカレラ4Sと同じくターボボディをまとっている点です。

ポルシェがスポーツシャシーとうたうパッケージで、スプリングレートアップや強化ダンパーが組み込まれ、車高はカレラに比べてフロント10mm、リア20mm落とされ、全高1285mmとなっており、スタビライザーもフロント1mm、リア2mmほど太くなっています。しかし、ターボシャシーではありません。

見た目でははっきりと「S」であることを主張するものの、中身はほぼスタンダードモデルのカレラということで、見た目だけ(ターボルック)と思われる印象は否めません

ホイール

993カレラSサイドビュー

ターボボディを搭載していますが、その中に収まるホイールは、ターボやカレラ4Sで標準装備される18インチではなく、17インチが標準装備されます。これをマッチングさせるためにホイールスペーサーが組み込まれています。

シャシーがターボシャシーで無いため、そのままホイールを装着すると凹んでしまうため、スペーサーで帳尻を合わせるといった形です。

「狼の皮をかぶった羊」と言われる所以はここにもあります。

ブレーキ

ブレーキもターボスペックではなく、カレラと同じスタンダードディスク+4ポットキャリパーを標準装備します。

車重

車重はなんと1500kgもあり、カレラよりも100kg以上重い状態です。

重いということは性能面でも良いことをもたらすはずがありません。

まとめ

まとめると993カレラSの特徴は以下の通りであり、当時は「狼の皮をかぶった羊」と言われても否定ができなかった特徴を持っています。

・空冷最終モデル
・カレラSではありますが、水冷時代のそれとは異なり、エンジンはスタンダードモデルのカレラと同様
・ターボボディ(ワイドボディ)を搭載するも、シャシー・ブレーキ・ホイールなどもカレラと同様
・ターボボディと帳尻を合わせるために、スペーサーを活用
・車重はカレラと比較し+100kg
・まさにターボルックという表現が似合うクルマ
・利点としては、空冷&ワイドボディで唯一A/Tの選択肢が選べました

ただ、このリアスタイルを見ると、ターボルックの何が悪い!と言いたくなるほど惚れ惚れするスタイリングとなっています。

993カレラSのリアスタイル

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