購入ガイド ポルシェ911のグレード(964型)

964 ポルシェ

ポルシェ911(964型)のラインナップを掲載していきます。

ポルシェカレラといえば、この964型を思い出す方が一番多いのではないでしょうか?

ポルシェを代表する964型の各グレードの特徴をお届けしていきます。

この記事を見ていただきたい方
  • 空冷ポルシェモデルに興味があるが、どのようなラインナップ(グレード)があるのかがわからない方
  • ラインナップ名(グレード名)は知っているが、それぞれの特徴までは知らない方
結論
  • 外見はこれまでの930型と大きく変わらず、ティプトロニック・4WD・電動リヤスポイラーなど、機能を大きく進化させたモデルが964型
  • 930型と大きくは変わらない外見とは裏腹に、新設計パーツが8割ということで中身は別物となっています
  • 盛り上がり際立ったフロントフェンダー、ターボモデルを筆頭にワイド化したリアフェンダーなどポルシェといえば964型を想起される方が多い特徴的なスタイルを保有
  • オススメはシンプルにカレラ2。よりスタイリッシュになった後期型オススメですが、今となっては前期型もほとんどの車が後期ルックになっていますので、どちらでも良いかもしれません

964型とは

1989年に登場した964型の特徴は、ティプトロニック・4WD・エンジン/サスペンションの一新/空力への取組みとなっています。

ティプトロニック

電子制御式の4段A/Tのティプトロニックを初採用。

一般的なトルクコンバーター式でありながら、マニュアル変速機構を備えた世界初の自動変速機を採用。

通常のA/Tセレクターゲートと平行して設けられたマニュアルモードゲートにレバーを押し込み、前へ押せばアップ、手前へ引けばダウンする操作ロジックはその後、前後の差こそあれ、世界中のメーカーが採用。

4WD

1970年代より研究を続けていた四輪駆動システムが市販車に初搭載されました。また、前後トルク配分を31:69の固定式としたセンターデフを備えています。

エンジン/サスペンション

伝統の空冷フラット6を搭載。ボア/ストロークともに拡大され、従来の3164ccから3600ccにまで拡大。65ps/5.6kgmアップし250ps/31.6kgmを発生。

フロントがマクファーソン・ストラット、リヤがセミ・トレーリングアームとなっており、ハンドリング性能の大幅な向上を実現。

空力への取組み

現在のカレラでは定番となった電動リヤスポイラーをはじめ、前後アンダーバーやエアフローに配慮したドアミラー形状などを採用し、CD値は930の0.395から0.32へと改善されています。

複数の964型
複数の964型

ラインナップ(グレード)

各グレードそれぞれの特徴を掲載していきます。

カレラ4

964カレラ4
911初の4ドライブトレーン搭載モデル

・964型最初のラインナップであるNA・四輪駆動モデル
・モノコック構造シャシーやサスペンションなど、80%の部品が新設計
・電動リアスポイラーの採用など、これまで以上に空力に配慮されているのも特徴
・トランスミッションは5速M/Tのみで、ティプトロニックは設定されていない

カレラ2

964カレラ2
ティプトロニック採用

・ベーシックなNA・後輪駆動モデル
・カレラ4のシャシーをベースに、駆動系から前輪への出力伝達構造をオミットした仕立て
・マニュアルモード付きトルクコンバーターAT(ティプトロニック)搭載車を設定するのもカレラ4との大きな違い

カブリオレ

964カブリオレ
全天候型4座オープン

・ソフトトップを備える4シーターのオープン
・カレラ2とカレラ4にそれぞれ設定
・三角窓を持つサイドウィンドウなどにより、走行風の巻き込みが抑制
・カレラ2カブリオレは、スピードスター、ターボと共に、993型の登場後も94年末まで販売

タルガ

964タルガ
サンルーフ以上、カブリオレ未満。適度な開放感

・901型以来の定番スタイル
・脱着式ルーフは、フロントのトランクに収納できる
・アルミ製ロールバーにより、高い安全性と剛性を確保
・カレラ2/4ともに設定
・993型以降はスライド式ガラスルーフに変更されるため、初代から続く脱着式ルーフは、この964型が最後

ターボ3.3

964ターボ3.3
エンジン930ターボ最終型を流用

・2年ぶりに、満を持して登場したターボモデル
・カレラ2ベースの後輪駆動シャシーに搭載されるエンジンは、930型のものをベースにストローク延長による排気量拡大(12cc)などの改良を施し、320hpを発生
・NAモデルより太いタイヤを履くためにフェンダーを大きく拡幅したターボボディと、大型リアスポイラーを備える

ターボS

3.3ターボの最強モデル

・アメリカのIMSAレース参戦車両で培われた技術を投入した、ターボのスペシャル版
・ボンネットやリアウィングのケブラーカーボン化による190kgもの軽量化に成功
・エンジンも強化され381ps/50.0kgmを発生
・リアフェンダーのSダクトが目を引く
・生産台数は80台と言われる、極めつけのレアモデル

カレラ2スピードスター

カレラ2スピードスター
晴天専用

・低いフロントウィンドーを与えられた、2シーターのオープン
・主に北米市場のニーズに応えるためのモデル
・ボディーにフィットしたFRPカバーの下に収納されるソフトトップは、カブリオレよりはるかに耐候性の劣る、簡易的なもの

ターボ3.6

964ター3.6
排気量拡大

・カレラ系をベースとした3.6Lエンジンに換装
・シングルタービンで360ps/53.0kgmを叩き出す
・40hpアップし、0-100km加速は0.2秒短縮されて4.8秒
・最高速度はプラス10km/hの280km/hをマーク

ターボルック

ワイドボディのNAモデル

・カレラ2/4のオプションとして、クーペ/カブリオレに設定された
・その名の通り、ワイドボディのターボモデルを模した仕様

カブリオレ・ターボルック

カブリオレ・ターボルック
ワイドボディ+NAユニット

・911の30周年にあたって、ワイドボディのNAモデルが企画
・カレラ2/4に設定
・足回りもターボ用そのものをそのまま使用し、エンジンのみ無過給となり、シャシー容量に余裕が生まれるのが利点
・当初は3.8Lユニット搭載が検討されていたが、これについては断念された

カレラRS

カレラRS
極めてスパルタンな1台

・カレラ2をベースにエアコンはもちろんオーディオやパワーウインドウに至るまで快適装備を手挺して排除
・2シーター化やボンネットのアルミ化、アンダーコート省略なども行い130kgも軽量化
・強化されたボディに40mmダウンのハードな足回り、バランス取りまで施された260ps/32.0kgmび専用チューンドエンジンを搭載
・2391台のみの生産

カレラRS3.8

カレラRS3.8
レース参戦の本気のホモロゲーション・モデル

・GTレースの参戦規定を満たすべく、100台程度を制作
・300hpを発生する3.8LのNAユニットを搭載し、1140kgまで軽量化
・0-100km加速は4.9秒
・最高速度は274km/hをマーク
・18インチの3ピースホイールを履き、285/35サイズのリアタイヤを収めるためボディはワイド化
・レーシーな2段リアスポイラーなどを専用装備

マイナーチェンジ

964カレラ後期

カレラ4とカレラ2が1992年に大きなマイナーチェンジを実施。

サイドミラーが空力を考慮した形状のいわゆるターボミラーに変更され、ホイールもディッシュタイプのデザインから、カップカーと同意匠の5本スポークの17インチホイールを設定。

ヒストリー

1989カレラ4登場
1990カレラ2登場。ティプトロニックを設定
タルガ、カブリオレ設定
1991ターボ登場。エンジンは3.3L
1992カレラRS、ターボS限定生産
ターボルック登場
カレラ2/4がマイナーチェンジ
1993ターボがマイナーチェンジ。3.6L化
カレラRS3.8、スピードスター限定生産
993型に移行

まとめ

外見はこれまでの930型と大きく変わらず、ティプトロニック・4WD・電動リヤスポイラーなど、機能を大きく進化させたモデルが964型

930型と大きくは変わらない外見とは裏腹に、新設計パーツが8割ということで中身は別物となっています。

盛り上がり際立ったフロントフェンダー、ターボモデルを筆頭にワイド化したリアフェンダーなどポルシェといえば964型を想起される方が多い特徴的なスタイルを保有。

オススメはシンプルにカレラ2。よりスタイリッシュになった後期型オススメですが、今となっては前期型もほとんどの車が後期ルックになっていますので、どちらでも良いかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました