NX450h+とNX350h。どちらも2.5Lエンジンを使う電動化モデルですが、実際に乗ると印象はかなり違いました。
私が特に差を感じたのは、単純なエンジン音の違いではなく「どのくらい早くエンジンが入り、その音を意識する時間がどれだけ続くか」でした。
NX450h+は大容量バッテリーとモーターで走れる領域が広く、試乗中もまずモーターで走る時間が長い車でした。チャージモードで意図的にエンジンを始動させたときでさえ、家族で「これ、エンジン動いてるの?」という話になるほど存在感が小さかったのを覚えています。
一方、NX350hもモーターで発進した直後はかなり静かです。ただ、450h+ほどモーターだけで長く走るわけではなく、比較的早い段階からエンジンが加わります。アクセルを踏み込むとさらにエンジンの出番が増え、そのとき私には少し「ガサガサ」した音質が耳に残りました。
どちらも静かで、加速も十分に力強い。それでも、静けさの質には違いがありました。
なお、私が試乗したNX450h+はversion L、NX350hはF SPORTです。試乗条件も同一ではありません。この記事では絶対的な性能順位ではなく、実際に運転して感じた違いとして比較します。
NX450h+とNX350hの違いを先にまとめる
私の試乗体験で大きく違ったのは、次の3点でした。
まず静粛性。どちらもモーターで走っている間は静かですが、450h+はモーターで走れる時間が長く、エンジンを意識する場面そのものが少ない。一方の350hは比較的早くエンジンが加わるため、私には「ガサガサ」という音を意識する時間が長く感じられました。
次に加速。NX450h+はモーターらしく「ヒュイーン」と滑らかに速度が乗り、NX350hも予想以上に力強く感じました。
そして乗り心地。NX450h+ version Lは運転席でも後席でも快適でした。NX350h F SPORTは、スポーティな仕様でも硬すぎず、段差を「コトンコトン」と収める感覚が印象に残っています。
静粛性|普段はどちらも静か。でもエンジンが動くと差が出た
NX450h+で最も印象に残ったのは静粛性でした。3台のパワートレイン全体を見比べたい方はNX350・NX350h・NX450h+の3台比較も参考にしてください。
EV走行中が静かなのはもちろんですが、驚いたのはエンジンが始動した後です。
試乗中にチャージモードを使い、意図的にエンジンを動かしてみました。それでも家族の中で「これ、エンジン動いてるの?」という話になるくらい、エンジンの存在感が小さかったのを覚えています。
ステアリング、ペダル、シートから不快な振動もほとんど感じませんでした。
NX350hも、走り始めた瞬間はかなり静かです。モーターで発進し、軽くアクセルを踏んでいる範囲では、車内は落ち着いています。
違いを感じたのは、アクセルを踏み込んでエンジンが回り始めたときでした。
単純に音が大きいというより、私には少し「ガサガサ」した音質に聞こえました。
NX350hは普段がかなり静かなので、その落差で余計に耳に残ったのかもしれません。
ただ、NX350hだけエンジン音が違うというより、2台でエンジンの出番が違うことが大きいのではないか、と感じました。NX450h+は大容量バッテリーとモーターで走れる領域が広く、今回の試乗ではモーターで走る時間が長かったため、エンジンが前面に出る場面そのものが少なかった。一方、NX350hはHEVなので、450h+より早い段階からエンジンが加わり、加速でもエンジンが仕事をする時間が長くなります。その結果、同系統のエンジン音だったとしても、350hでは私が「ガサガサ」と感じる音を意識する場面が増えたのではないかと思います。
つまり今回の印象差は、エンジン音そのものの優劣というより、モーターだけで走れる時間と、エンジンを意識する時間の違いです。これは同じ条件で音を測定した結論ではなく、2台を別々に試乗した後に感じた私なりの仮説です。
静粛性を重視するなら、私の試乗体験ではNX450h+の方が好みに合いました。
NX450h+でエンジンを始動させたときの体験はNX450h+の静粛性レビューで詳しくまとめています。

加速|どちらも想像以上に力強かった
NX450h+は、アクセルを踏むと低い速度からすぐ反応します。
私には「ヒュイーン」と速度が乗っていく感覚で、想像していた以上に速く感じました。十分に速いので、それ以上アクセルを踏み続けたいとは特に思わないほどでした。
NX350hも、乗る前に想像していた以上に力強い加速でした。
特に印象的だったのは、NX350との体感差です。スペック上はNX350の方が速いはずだと思っていましたが、今回の試乗ではNX350hの方が速く感じました。
これは同条件でタイムを測った比較ではありません。あくまでアクセルを踏んだときに前へ出る感覚の話です。
NX450h+とNX350hについても試乗条件が違うため、どちらが速いとは決めません。
ただ、どちらも「静かで穏やかな電動SUV」というだけではなく、踏めば十分に力強いという点は共通していました。
NX350hの加速やエンジン音はNX350h F SPORT試乗レビューで詳しく書いています。
乗り心地|version LとF SPORTなので単純比較はできない
乗り心地は、今回もっとも注意して比較したい部分です。
NX450h+で試乗したのはversion L、NX350hはF SPORTだからです。
NX450h+ version Lでは、運転席で段差の突き上げや細かな上下動は特に気になりませんでした。家族も誰も車酔いせず、後席の子どもは眠くなるほどリラックスしていました。
一方、NX350h F SPORTも、想像していたほど硬くありませんでした。
段差を越えたときは、強い衝撃がそのまま入ってくるというより、「コトンコトン」と収める感覚です。
F SPORTらしいしっかり感はありながら、日常で我慢するような硬さではありませんでした。
ただし、この違いをそのまま「PHEVとHEVの差」と考えるのは違います。version LとF SPORTでは足まわりやシートの性格も異なるためです。
F SPORTとversion Lそのものの違いはNX F SPORTとVersion Lの比較記事に分けています。

シート|version Lはゆったり、F SPORTは腰のホールドが好み
シートについても、私はNX350h F SPORTの方が好みに近い部分がありました。
NX450h+ version Lのシートは快適でしたが、私にはもう少し身体を支える感覚があってもいいと感じました。
NX350h F SPORTは、腰まわりをしっかり支えてくれます。ここはかなり好印象でした。
一方で肩まわりは少しタイトです。
この差もPHEVとHEVの違いではなく、version LとF SPORTの違いとして見るべきです。

結論|静粛性ならNX450h+、NX350hもかなり好みに近かった
2台に実際に乗ってみて、どちらもかなり完成度の高いNXだと感じました。
NX450h+で特に印象に残ったのは、モーターで走れる時間が長く、エンジンを意識する場面そのものが少なかったことです。意図的にエンジンを始動させても存在感は小さく、PHEVらしい静けさが長く続きました。
NX350h F SPORTは、モーターで静かに走り出し、踏めば想像以上に力強い。F SPORTでも乗り心地は硬すぎず、シートの腰まわりのホールドも私の好みに合いました。
だからこそ惜しかったのが、比較的早くエンジンが加わり、その出番が増えたときに「ガサガサ」と感じた音質です。350hだけ別の悪い音がするというより、450h+よりエンジンを使う時間が長いことで、同系統の音を意識する機会が増えたのではないかと感じました。
私なら、静粛性を最優先するならNX450h+を高く評価します。
一方でNX350h F SPORTも、普段の静かさ、加速、乗り心地のバランスはかなり好みに近い車でした。
どちらを選ぶ場合でも、短い街中の試乗だけで終わらせず、モーター走行からエンジンが加わるところまで確認することをおすすめします。今回の2台で私が最も大きく感じたPHEVとHEVの違いは、エンジンそのものの音質よりも「エンジンがいつ入り、どれだけ長くその存在を意識するか」でした。

