ポルシェ(特に空冷モデル)に乗りたいけれど、メンテナンスが気になって一歩を踏み出せない方へ、7年間空冷モデル(993)を保有していた私自身がメンテナンス、維持するにあたって注意するポイントをお届けします。
ポイントを理解した上で、是非ポルシェオーナーになって、素晴らしい体験をしてみてください。
「空冷モデル(993)」の魅力
様々な所で専門店やオーナーが回答されている以下の魅力について、私も全くの同感です。この点は間違いないと断言できます。
最後の空冷エンジンのサウンド・走り
クルマに乗り込み、キーを回しエンジンをかけた時に「ポルシェオーナーになって良かった」と毎回感動することができました。
ポルシェの良さは「飛ばさなくても気持ちが良いところ」です。低速で「ドッドッドッ・・・」というエンジン音・排気音を聞きながら走るだけで最高な気持ちになれます。音楽は不要でエンジン音のみで走ることができます。
そして、エンジンを回すと「クォーン」という素晴らしい音を奏でながら加速します。この点は最新ポルシェとも共通した音がします。
クルマとしての剛性感やシートの良さも含め、常に安心して満足度が高く乗ることができます。
剛性感の高さということの証明でいうと、ジャッキアップをした際にクルマがねじれず、リアをあげるとフロントももちあがってしまうということがありました。
ポルシェらしさが色濃く残るスタイリング
誰もがポルシェとわかるスタイリング。リアフェンダーの膨らみが特に魅力的です。
おそらくこれからノーマルの993を購入されると、きっと「カレラ4S」が欲しくなりますので、予算が許す方は「993カレラ4S」を初めから購入されることをおオススメします。
今となっては「ネオクラシック」の世界であり、若干中途半端なルックスではありますので、ルックス重視の方は「964」を検討されても良いかなとも思います。
「空冷モデル(993)」のメンテナンスポイント、ウィークポイント
専門店・オーナーが回答されている以下のメンテナンス・ウィークポイントについて、私自信が体験したことも多く、こちらも間違いないと断言できます。
オイル周りのトラブル・メンテナンス
こちらは私も体験済みです。長くなりますので後ほど詳細をお伝えします。こちらでは割愛いたします。
夏場に弱いエアコン
エアコンは効かなくは無いのですが、とても効いたり、効かなかったりと気まぐれです(笑)
また、冬場の洗車後や温泉に入った後などに乗車した場合、窓ガラスが全面曇ってしまい、運転に支障が出ることがあります
鈴虫が泣くような「チリチリリン」という音が聞こえたら壊れる前兆という情報をよく見ましたが、私の993も例に漏れず鳴っていましたが、壊れることはありませんでした。
エアコンのトラブルは1件ありました。ナビを付けた際に何かを外してしまったのか、気付いたら車内のの足元が水浸しになっていることがありました。こちらの修理代は数千円だったと思います。
オイルクーラー用電動ファン
こちらも例に漏れずトラブルが起き、交換した記憶があります。
交換費用は数万の下の方だったと記憶しています。全体を通して支払いを躊躇するようなレベルの修理はありませんでした。
電気系接触不良
993で唯一外出先で止まってしまうようなトラブルはこちらです。
リレー不良で止まってしまう事例をよく聞きました。私のクルマは幸い止まることはありませんでしたが、数千円の新しいリレーで解決できるということなので、これからオーナーになる方は、購入時に新しいものに交換することをオススメします。
電動シート
こちらも私のクルマでも発生しました。一番後ろにシートを下げてしまうと、何かを噛んでしまって動かなくなります。こちらも修理代は数千円で対応していただいた記憶があります。
ライトの暗さ
ライトに対するコメントが多かったですが、私は意識したことはありませんでした。もし気になったとしても、ネオクラッシクの領域ですので、社外品を入れるなどの対応はオススメしません。
どうしてもライトが気になるという方は、リトロニックがついている個体を購入することをオススメします。プチ情報ですが、日本の初のリトロニック(キセノンも含めて)は、993が初めてだったと思います。
私が経験したトラブル
専門店やオーナーの声であまり聞いたことがありませんが、私自身が体験したトラブルについてお伝えしていきます。
パワーウィンドウ故障
パワーウィンドウの故障というよりは、パワーウィンドウスイッチの不具合というのが正しいです。
パワーウィンドウのスイッチが陥没してしまい、ウィンドウ操作ができなくなります。
こちらもスイッチ交換(1万円弱)ですぐに治りますが、私の場合3回ほど埋まりました(壊れました)。
リアスポイラーゴムの破損
こちらは故障ではなく、経年劣化によるものだと思いますが、走行注何か飛んでいったなと思い、クルマを停車して見てみるとゴムがちぎれて穴が開いていました。
また、別のプラスチックな部品も走行中に飛んでいってしまった記憶があります。
これらの修理代も数千円程度だったと記憶しています。
パワステオイル漏れ
今のクルマでも起きうるトラブルですが、こちらもトラブルとまでは言えない事象かと思います。
ダッシュボードが開かなくなる
クルマ生活でありがちなメンテナンス引取り時に発生しました。こちらの修理代も数千円。
私が経験したオイル関連のトラブル
こちらも噂通りです。空冷ポルシェはオイル管理は丁寧に実施する必要があります。
オイル漏れ(1回目)
1回目は購入時です。一般的な輸入車専門中古車店にて「オイル漏れはしていない」という説明を受け購入しました。
しかし、納車後すぐに空冷ポルシェ専門店にお邪魔して点検をしていただいた所、オイル漏れが確認され、中古車店にクレームをしオイル漏れ修理をしていただきました。
無償修理であったため、具体的に何をしていただいたかはの詳細は不明ですが、修理明細を見せていただいた際に60万程度の金額が記載されていました。オーバーホールは100万コースと言われているので、オーバーホールをしたわけでは無さそうです。
オイル消費、オイル交換
トラブルではありませんが、未来のオーナーに向けてお伝えします。
1000km走る毎に1L程度のオイルが減ります。補充ですので大した費用はかかりません。ポルシェセンターでオイルを補充している間に、最新の911に試乗をさせてもらえるという特典がついてくるという考え方もあります。
オイル交換は半年〜1年に1回程度実施します。1回3万円程度費用が発生します。
オイル漏れ(2回目)
定期点検を実施し、オイルのメンテナンスも行い、頻繁に乗ること。これが空冷ポルシェを維持する秘訣というコメントをよく見かけますが、こちらもあっています。
私は半年以上一切乗らずに車庫に放置をした結果、激しいオイル漏れを起こしました。アンダーカバーが付いていたにも関わらずこの漏れ方ですので、相当な量が漏れてしまいました。
この事象により、修理をせず売却してしまったため修理費用はわかりません。このようなことになることは稀だとは思いますが、「乗らないとこうなる」ということは実際ありましたので、オーナーになる皆さまはよく走らせてあげて下さい。
メンテナンス費用と、時間を取られる課題
細かい所がチョコチョコと壊れますが、オイル漏れによるオーバーホール以外の修理費用は「数千円〜3万円程度」のものがほとんどで、修理費用は大きく発生しません。
費用よりも課題になるのが、修理に時間を取られることです。私は土日が休みなのですが、空冷ポルシェに乗っていた頃は、オイル補充・細かい修理などで、かなりの日数をポルシェセンターや専門店に伺う時間に費やしました。これは地味に課題となりました。
まとめ
空冷ポルシェは、エンジンとスタイリングがとても魅力的です。欲しい!と思われている方は、一度所有されることを強くオススメします。
オーナーになった際には、細かいトラブルがいくつか出ますが、走行できなくなるトラブルや修理に数十万円かかるようなトラブルは稀であり、基本的には壊れません。
ただ、ノーメンテナンスというわけにはいかず、オイル周りを中心に定期点検と定期的な走行が必須となります。
一つ一つの修理費用は小さいですが、積み重なるとそれなりの費用になること。また、修理などで休暇(週末)を費やすことになるという課題は発生します。
空冷ポルシェがどうしても欲しい!という方以外にはオススメしません!
空冷ポルシェには憧れるが、メンテナンスがやっぱり気になるという方は、水冷モデルの「996カレラ4S」がオススメです。スタイリング・乗り味が今となっては空冷モデルに類似しています。
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