
三菱アウトランダーPHEVに試乗して、最も印象に残ったのは走りの気持ちよさでした。
アクセルを踏むと滑らかに加速し、車内はとても静か。エンジンを使って走ったときの音やフィーリングも、想像以上に上質でした。
一方で、走りには満足したものの、車全体としては少し物足りなさも残りました。PHEVとしての走りは期待以上。ただ、デザインや室内の開放感、細部の使い勝手まで含めると、購入を決めるほどの魅力には至りませんでした。
今回はアウトランダーPHEVの「P Executive Package」を一般道で試乗した感想を、良かったところも気になったところも率直に紹介します。
アウトランダーPHEV試乗の結論|走りは期待以上、気になる部分もありました
今回の試乗で特に良かったのは、EVらしい滑らかな加速、静粛性、シートのフィット感です。
EV加速:滑らかで気持ちよく、今回最も印象的。静粛性:ドアを閉めた瞬間から静か。シート:肩や腰へのフィット感が良好。エンジン走行:音やフィーリングが想像以上に上質。乗り心地:おおむね良好ですが、少しふわふわする感覚。ブレーキ:ペダルを深く踏み込む必要があり、好みとは異なる操作感。内装・装備:高級感がある一方、細部には気になる点もありました。
特に走り始めた瞬間の印象は良く、大きなSUVでありながら軽快に運転できるところが魅力的でした。ただ、車を選ぶ際には走りだけでなく、デザインや室内の居心地、操作のしやすさなども大切にしています。そうした点を含めると、今回は購入を決めるまでには至りませんでした。
外観は好みが分かれるものの、室内の第一印象は良好
アウトランダーPHEVを外から見た第一印象は、思っていたほど大きく感じないというものでした。存在感のあるフロントマスクと直線的なボンネットが特徴的で、特に黒いボディはなかなか格好よく見えました。
一方、私はもう少し滑らかなラインのデザインが好きなので、アウトランダーの直線や装飾を強調した外観は、少し好みと異なります。ただ、ドアを開けて運転席に座ると、印象が変わりました。
シートのフィット感はかなり良好
今回、走りと同じくらい好印象だったのがシートです。肩から腰まで自然に収まり、身体がしっかり支えられている感覚があります。座った瞬間から居心地の良さを感じました。
少し気になったのは、運転席の座面右側にあるサイドサポートの高さです。乗り降りするときに身体が触れやすいため、長く使ったときに傷みやすくないかという点は少し気になりました。とはいえ、シートの座り心地そのものは非常に良かったです。
ドアを閉めた瞬間の静けさが印象的
もう一つ印象的だったのが静粛性です。ドアを閉めると、車内が「シーン」と静かになります。高級車らしい落ち着きがあり、走行中もロードノイズや風切り音はほとんど気になりませんでした。静かな車内で運転に集中できることは、アウトランダーPHEVの大きな魅力だと感じました。
対照的だったのが、コンパクトで軽快なホンダ ヴェゼル e:HEV Zの試乗です。静かさだけでなく、車内の重厚感やシートの印象にも違いがありました。

EV走行の加速は想像以上に気持ちよかった
今回の試乗で、最も印象に残ったのは走りです。駐車場から出る段階で、ステアリングの軽さとアクセルへの反応の良さを感じました。大きなSUVを運転しているにもかかわらず、操作が重苦しくありません。
アクセルを踏むと、「ヒューン」「キュイーン」と滑らかに加速していきます。モーターならではの反応の良さがあり、速度が自然に伸びていく感覚がとても気持ちよかったです。アウトランダーPHEVの最大の魅力は、この滑らかな加速にあると感じました。
このモーターらしい加速は、以前試乗したエクストレイルにも通じる感覚でした。両車の走りとPHEV・e-POWERの仕組みの違いは、アウトランダーPHEVとエクストレイルの試乗比較で詳しく整理しています。
エンジン走行でも音とフィーリングが上質
チャージモードでも走ってみました。エンジンが作動すると、モーター走行とは当然音が変わりますが、そのエンジン音が想像以上に良かったです。
不快な振動や雑音が気になることもなく、エンジンが動いていても上質な車に乗っている感覚がありました。出足も良く、エンジンを使う場面でも走りの印象が崩れません。EV走行の気持ちよさに加えて、エンジン走行のフィーリングまで良かったことは、今回の試乗で特に評価したいポイントです。
乗り心地は良好。ただし少しふわふわした感覚も
一般道での乗り心地は、全体として良好でした。今回の試乗車は20インチホイールを装着していましたが、路面からの突き上げが強すぎるということはありません。
一方、段差などを通過したあと、車体が少し「ふわふわ」と動く感覚がありました。不快になるほどではありませんが、もう少し揺れがすっと収まる方が好みに合います。ゆったりした乗り味が好きな方には合いそうですが、私はもう少し引き締まった感覚がある方が好きです。
ブレーキのタッチには少し違和感
ブレーキは、ペダルを踏んだときの減速の感覚が少し気になりました。思っていたよりも深く踏み込む必要があり、もう少し軽い操作で自然に減速してくれる方が好みに合います。
アクセルの反応がとても気持ちよかっただけに、ブレーキにも同じような自然さがあると、さらに運転しやすかったと思います。

内装は高級感がある一方、開放感と細部の使い勝手が気になりました
運転席に座った瞬間の質感は良好でした。シートは快適で、車内も静か。高級感のある空間に仕上がっています。ただ、実際に操作していくと、細かな部分で気になる点もありました。
ステアリング調整が手動なのは少し残念
シートメモリーで座席を調整できる一方、ステアリングの上下・前後調整は手動でした。機能として大きな問題ではありませんが、700万円を超える価格帯の車を検討していると、こうした部分も気になります。
また、シートのマッサージ機能のボタンの位置や使い方に少し違和感がありました。装備そのものは充実していますが、操作の流れが一つにつながっているという感覚はあまりありませんでした。
天井とフロントガラスが低く感じ、少し窮屈
室内の開放感も、期待していたほどではありませんでした。運転席に座ると天井がやや低く感じられ、フロントガラスも少し小さく感じました。そのため、前方の見通しにも少し窮屈さがあります。視界が悪くて運転しにくいというほどではありませんが、もう少し広がりのある空間を期待していました。
後席にも座ってみましたが、広さはあるものの、特別に印象に残るほどではありません。パノラマサンルーフも備わっていますが、室内全体の開放感という点では、もう少し物足りなさを感じました。オーディオについても不満はありませんが、特別に驚くほどの印象はありませんでした。

大きなSUVでも、運転すると意外に軽快
アウトランダーPHEVは存在感のあるSUVですが、運転していて横幅が極端に大きいとは感じませんでした。ステアリングが軽く、アクセルへの反応も良いため、一般道では比較的扱いやすかったです。一方、車体の後ろ側を中心に、全長の長さは感じました。
今回は一般道試乗だったため、狭い駐車場での取り回しや高速道路での安定性、長距離運転の疲労感までは確認できていません。それでも、見た目の存在感に対して、運転したときの軽快さは印象的でした。
走りには満足。それでも購入を決めきれなかった理由
購入判断まで含めて比較したい方には、NX450h+とアウトランダーPHEVを実際に試乗して比較した記事も参考になると思います。走り・シート・内装の評価が必ずしも一致しない理由を整理しました。
今回のアウトランダーPHEVは、良いところがたくさんありました。特に滑らかなEV加速、静かな車内、座り心地の良いシート、上質なエンジン走行は高く評価しています。
一方で、外観デザインや足回りの感覚、ブレーキのタッチ、室内の開放感、装備の細かな使い勝手など、少しずつ気になる部分もありました。どれか一つが大きな欠点というわけではありません。
ただ、700万円を超える車として考えると、走りの良さだけでなく、車全体としてのまとまりや、所有する満足感も大切にしたいところです。アウトランダーPHEVは、PHEVとしての性能や走りには非常に魅力を感じましたが、今回の試乗では購入を決めるところまでは至りませんでした。
EVとPHEVの選び方については、実際の試乗体験を踏まえて「EVとPHEVはどちらがいい?」でも整理しています。
まとめ|アウトランダーPHEVの試乗で、PHEVへの期待がさらに高まりました
今回の試乗で、アウトランダーPHEVの走りの良さを実感できました。滑らかなEV加速、優れた静粛性、エンジン走行の上質さは、特に印象に残っています。
一方で、デザインや室内の開放感、細部の使い勝手には、私の好みと少し異なる部分もありました。それでも、今回の試乗を通じて、次の車にはPHEVを選びたいという気持ちがさらに強くなりました。
アウトランダーPHEVは、PHEVならではの走りの魅力を改めて実感させてくれた一台でした。

