レクサスNX450h+、メルセデス・ベンツGLC350e、マツダCX-60 PHEV、日産エクストレイル G e-4ORCE。
家族で4台に乗ってみて面白かったのは、同じSUVでも「重さ」の感じ方がまったく違ったことです。
NX450h+は、静かで滑らか。しっかりしたクルマなのに、走り出すと重さをあまり意識しません。
エクストレイルはもっと極端で、大きなSUVを運転していることを忘れるくらい軽快でした。
CX-60 PHEVは、車重そのものよりステアリングやアクセルの重さ、長いノーズから大きさを感じます。
そしてGLC350eは、床下に大きな重量物を積んで走っているような感覚がかなり印象に残りました。
4台から私が選ぶならNX450h+です。ただ、乗る前と乗った後で一番印象が変わったのはエクストレイルでした。
結論|4台は「重さの感じさせ方」がまったく違った
4台を短く表すなら、NX450h+は静かで滑らか。エクストレイルはとにかく軽快。CX-60 PHEVはしっとりしているけれど操作は重め。GLC350eは上質だけれど車体の重さを感じる、という違いでした。
特に面白かったのがNXとエクストレイルです。どちらも大きなSUVですが、運転しているとサイズや重量をあまり意識しません。ただ、その方法はかなり違います。
NXは静粛性や滑らかさによって重さをうまく隠している感じ。エクストレイルは、クルマそのものがスッと軽く動く感じです。
一方、GLC350eとCX-60 PHEVは「大きなクルマを動かしている」という感覚が比較的残ります。4台に乗って、SUVは車重の数字だけを見ても分からないと改めて感じました。
NX450h+|重厚なのに、重さを意識させない

NX450h+で最初に印象に残ったのは静かさでした。
発進は「シューン」。アクセルを踏むと「グーッ」と力が出て、そのまま滑らかに速度が上がっていきます。
エンジンが動いても存在感が薄く、家族で「これ、エンジン動いてるの?」と話したほどでした。
実車を前にすると、それなりに大きなSUVです。ところが運転席に座って走り始めると、外から見たほど大きく感じません。ステアリングも扱いやすく、視界も良好。重いクルマを頑張って動かしている感じもありませんでした。
家族3人とも酔わず、後席では眠くなるほどリラックス。試乗を終えたときに出たのが、「いい車だったね。売れている理由がよく分かる」という言葉でした。
NX450h+そのものの印象は、NX450h+試乗レビューで詳しくまとめています。
エクストレイル|約1.9t級とは思えない軽さ

4台の中で、一番驚いたのはエクストレイルでした。
発進すると「ピュッ」と動き、そのまま「キュイーン」と加速します。最初に感じたのは速さよりも、「軽い」でした。
細い住宅街まで走りましたが、大きなSUVを運転している緊張感がほとんどありません。思わず「小さな車を運転しているみたいだな」と感じたほどです。
乗り心地も好印象でした。段差を「コトン」と越え、そのあと余計に揺れ続けない。軽快なのに、足まわりまで軽い感じではありません。
返却するときには、「もう少し乗っていたいな」と思いました。これは試乗前には想像していなかった反応でした。
この軽快さは、エクストレイル G e-4ORCE試乗レビューでも詳しく書いています。
CX-60 PHEV|乗り心地は良い。でも操作すると大きさを感じる

CX-60 PHEVは、以前乗った3.3Lディーゼルとはかなり印象が違いました。
乗り心地は明らかに良くなり、街中では「しっとり」。高速道路でも安定していて、シートも4台の中でかなり好印象でした。加速もPHEVらしく「スーッ」と滑らかです。
意外だったのは、走っていると車重そのものはそれほど気にならなかったことです。GLC350eのような「重いものを積んで走っている」感覚は強くありません。
それでも大きなクルマを運転している感覚は、4台の中でもかなり強く残りました。理由はステアリングやアクセルの重さと、長いボンネットです。交差点を曲がるような低速域でもステアリングは重め。エクストレイルとはほぼ正反対でした。
そして、もう一つ家族全員が気になったのが「ウィーンウィーン」という作動音です。原因までは分かりませんでしたが、私だけでなく家族もはっきり気づきました。
乗り心地、シート、高速安定性など良いところはある。それでも運転を終えると、細かな違和感がいくつか残りました。街中と高速での印象は、CX-60 PHEV試乗レビューで詳しくまとめています。
GLC350e|上質だけれど、4台で一番「重さ」が残った

GLC350eは、道路の継ぎ目を越えたときの処理が印象的でした。
「スコン」と入力を受け止める感じで、足まわりそのものには上質さがあります。インテリアの質感も高く、ブレーキや回生の感覚も自然でした。
一方で、運転中にずっと気になったのが車体の重さです。単に「重いクルマ」というより、床下から車体中央あたりに大きな塊があって、それを一緒に動かしているような感覚でした。
Comfortモードでは、段差を越えたあとにその重さが少し遅れてついてくるように感じます。後席からも「ぐーわんと回される感じ」という反応がありました。
Sportにすると収まりはかなり良くなります。それでも、NXやエクストレイルのようにサイズや重量を忘れて走れるクルマではありませんでした。
GLC350eは上質です。ただ、私にはその上質さ以上に「重さ」が最後まで残りました。詳しくはGLC350e試乗レビューにまとめています。
乗り心地|単純に柔らかいクルマが快適とは限らなかった
乗り心地だけで4台を並べても、それぞれかなり違います。
NXは静かで滑らか。エクストレイルは「コトン」と動いて、すぐ収まる。CX-60 PHEVはしっとりしていますが、速度域によって少しフワッとする感覚もありました。GLC350eは入力そのものの処理は上質ですが、Comfortではその後の車体の動きが大きめです。
私が好きだったのは、NXとエクストレイルでした。理由は硬いか柔らかいかではありません。段差を越えたあとに、クルマの動きが早く落ち着くからです。
家族で乗るクルマでは、この「そのあとどう動くか」はかなり大事だと思います。
静粛性|一番印象に残ったのはNX
静かさではNX450h+が強く印象に残りました。EV走行が静かなだけではありません。エンジンが始動しても、その変化が自然でした。
エクストレイルも通常走行中にうるさいとは感じません。ただ、発電用エンジンと思われる音や軽い振動はNXより分かりやすく感じました。
CX-60 PHEVは、ロードノイズよりも例の「ウィーン」という音が耳に残りました。GLC350eもEV走行時は静かです。ただ、エンジンが動いたことはNXより認識しやすかったです。
静かなSUVが欲しいなら、私は4台の中ではNXを選びます。
取り回し|大きさを一番忘れられたのはエクストレイル
街中で一番気楽だったのはエクストレイルでした。
視界が良く、周囲も把握しやすい。細い住宅街でも車幅を強く意識しませんでした。
NXも外から見るより運転しやすく感じます。GLC350eも後輪操舵のおかげで、サイズの割に小回りには驚きました。
CX-60 PHEVは今回狭い道までは走っていません。ただ、長いノーズ、太く感じたピラー、重めのステアリングによって、運転席からは4台の中でも大きさを強く感じました。
スペック表の全長や全幅だけを見ていたら、この違いは分からなかったと思います。
家族で乗ると、運転席とは違う評価になる

SUVを選ぶとき、運転している本人だけなら判断はもっと簡単です。でも家族で乗ると、後席から別の答えが返ってきます。
NXでは家族3人とも酔わず、後席も好評でした。エクストレイルも後席が広く、一般道ではゲームをしていても問題ありませんでした。
GLC350eはComfortでの揺れに反応はありましたが、家族3人とも車酔いはありませんでした。
CX-60 PHEVでは、後席で眠れるほど乗り心地を気に入った場面がある一方、「ウィーン」という音は家族も気になりました。少し酔ったという反応もありました。
運転席で「いい」と思うことと、家族全員が快適に過ごせることは、やはり同じではありません。
3台比較・PHEV同士で見ると違いがさらに分かる
NX・エクストレイル・CX-60の違いをもう少し細かく見たい場合は、3台を乗り比べた比較記事にまとめています。
PHEV同士なら、NX450h+とGLC350eの比較、NX450h+とCX-60 PHEVの比較もあります。4台比較から気になった2台へ絞ると、それぞれの違いがより分かりやすくなります。
4台から選ぶなら、私はNX450h+

4台の中で、一番意外だったのはエクストレイルです。
軽くて、曲がるのが楽しくて、乗り心地もいい。返却するときに「もう少し乗っていたい」と思ったのは大きかったです。
CX-60 PHEVも、3.3Lディーゼルから乗り心地が大きく良くなっていたのは印象的でした。GLC350eには、国産3台とは違う上質さがあります。
それでも、私が4台から選ぶならNX450h+です。
静か。滑らか。家族も快適。そして、大きなSUVなのに運転中はその大きさや重さをあまり意識しない。
どれか一つだけが突出しているというより、毎日乗ったときにストレスになりそうな部分が一番少なかったからです。
4台に乗って改めて感じたのは、SUV選びでは車重やボディサイズの数字だけでは分からないことが多いということでした。
実際に走らせたとき、その大きさや重さをどう感じるのか。そして後席の家族がどう感じるのか。そこまで確かめると、自分に合うSUVはかなり見つけやすくなると思います。

